雨に眠るカフェに君がいる ガラス越しに奴とじゃれている 壊れかけたワイパーに 赤い街が滲んでる あれはただ他人の空似だと 俺は自分の瞳をこすったよ 信号待ちしてる間の 青く凍る一瞬さ 紫のラインが心にひかれる ナイフの切っ尖が滑ったように これは永遠だと信じた愛が 不意にその線からふたつに切り裂かれる 海の倉庫街に車とめ 何が悪かったか考えた 別に誰のせいじゃない 紅い雨が燃えている たぶん無言のまま去るほうが 奴を殴るよりも粋だよね 男らしさなんてのは 蒼い雲に隠してね 紫のラインは誰にも消せない 時の糸と針も縫えない傷さ 密入国すると胸を撃たれる 見えない国境が男と女にある