煙の様に貴方は去って、 今も何処かで笑ってるんでしょ。 煙の様に貴方はあたしの、 中に入って毒撒き散らす。 夜と朝のその隙間、 甘い秘密を真っ赤にくわえ込み、 吸っても吐いても足掻いても、 どうして少しも 消えてはくれないの? 今頃、貴方は空の下。 きっと答えはでないだろうが。 何も無いこの街抜け出して、 やるせない歌唄い歩く。 煙の様に踊り狂う影を、 掴み損ねた惰性の日々よ。 たった独りにも求められなかった、 女のあたしは只の生ゴミ。 「戻りたいよ、あの頃に」 なんて口が裂けても言えないよ。 傍に来てもっと、 優しくねぎゅっと。 無理だよ、 これ以上我慢は出来ないよ。 愛だの恋だの洒落臭い。 どうせ答えはでないだろうが。 帰らない影を待ち続け、 何も変わらず朝が来る。 視界が滲む。 そんな訳無いじゃない。 馬鹿みたい。 「煙が眼に染みただけ」 あたしは今も「ここに居るよ」 独り坊っち眠れない「夜は嫌だよ」 「誰でもいい訳ないじゃない」 今なら言えるかもな 「貴方じゃなきゃ」 欲しくて欲しくて堪らない。 汚いその眼が堪らないんだ。 何も無いこの街抜け出した、 貴方じゃなきゃ意味ないのに。 「煙が眼に染みただけ」