ゆらゆらと流れる青風に 攫われた君は 銅の街を 見晴らして 手を振り離れた さらさらと流れる時間に 筆が冷めたら 長く 見慣れ褪せた風景に 遠く 放って置いてよ もう少しだけ もう少しだけ 水面に沈んでいたいよ もう少しだけ もう少しだけ 海を眺めていたいよ もう少しだけ もう少しだけ 弱いままの僕を 深いヴェールよ 青いガラスよ 呼吸を忘れていさせて からからと煌く蜻蛉に 浮かんだ君は 変わらない街に 射しこんで 手をかざし 透かした 延々と流れる坂路に 息が切れたら 長く 夜に抱いた光景も 遠く 放って置いてよ もう少しだけ もう少しだけ 水面に沈んでいたいよ もう少しだけ もう少しだけ 海を眺めていたいよ もう少しだけ もう少しだけ 弱いままの僕を 深いヴェールよ 青いガラスよ 呼吸を忘れていさせて