林檎飴片手に泣いていた… 月読み葬の闇へ 「ねえママは何処にいるの?」 見目形、目に焼き付けて 抱き締め 虫が鳴き騒めく八月の 祇園坂と扇子屋 小さなこの子が望む 微笑んだ五月は来ない 紙風船を空へ高く そこには涙が溢れて 紅い飴玉想い出がほら 一緒に溶けて無くなる 目を覚ます小さな 泣き声が響く午前四時頃 大好きな絵本を読み 寝かし付け暗闇の中 さよなら 紙風船を空へ高く そこには涙が溢れて 紅い飴玉想い出がほら 一緒に溶けて無くなる 後何年で涙は終わる? 日が枯れ落ちた葬の底は真実と… そよとの風も無い 真昼の十三時、 彼女は無口に今も畳の下