「さあ、辛いならこの指止まれ。」 午後の教室、響いた声。 太陽はまるで 誘うように降り注いでいた。 そのうちに自分だけが 離れていると分かって、 朝が来た。 限りが無い悩みが、 今日もきっと増えるだろう。 街はまた変わらない調子で。 ああ、もっとやれることがある。 自分が変われば、 世界も綺麗に映るような気がして、 少しはいい人間になろうともがく。 この有り様を君は、 笑ってくれるかい。 ずっと癒えない傷があるなら、 その痕を、 汚いなんて思ってはだめだよ。 胸の中残る戦った証拠が、 君の生きる意味に繋がるように。 <♪> 時間が惰性で回り始め、 昨日と違うのは空模様くらいだ。 風はまだ少し強いが、 傘の出番はないだろう。 依然進み、戻る、繰り返しの 結果の見えない日常の、 些細なひと時が 無意味に思えてしまった。 僕らの価値観とは何だ。 外見か、印象か、 自分の醜い部分 上手く隠せていることか。 なんてさ、 言えもしない御託を並べて、 今日も夕暮れを待っている。 戻らない日々を 悔やむことができるのは、 熱を帯びたあの気持ちを 覚えているからだ。 そのまま、この痛みも 連れて行こう。 君に伝えるまで続くように。 <♪> 空が群青に染まる行く頃、 西の方角を、鳥の群れが横切る。 お前たちはどこまでも 飛んでいくがいいさ。僕だって、 いつか見つけてみせるよ。 描いた景色に出会えるように、 隠したい過去もすべて、 背負っていこう。 胸の中残る戦った証拠が、 君の生きる意味に繋がるように。 君の生きる明日を繋ぐように。