男のよれたスーツには 2枚のカードが入ってる たった1枚の銀行のカード まっぷたつに割ったからだ 景気がどうとかもういいと 錆び付いた匂いの陸橋で 線路の彼方を眺めてる 線路の彼方を眺めてる 彼女はもう何年も 砂丘の上を彷徨ってる 暗くて狭い部屋の隅 涙のありか探して 手首に走る虹の跡 生きているって実感だけ ほんのりと赤くにじんでる ほんのりと赤くにじんでる 現実ばっかで吐きそうだって 自分ばっかで泣きそうだって 被害者ぶって倒れそうだって このまま自分を壊しそうだって 少年はぼんやり暮らしてる 宿題はちゃんと片付けてる 友達もちゃんと出来ている 出来ているような気がしてる でも笑顔がちゃんと作れない だから上を向いてつぶやいてる 今どんな顔してますか? どんな顔色をしてますか? 真夜中の環状道路を 僕は今夜も漂ってる 鼻歌はダンプに轢かれちゃう どこにも響かずに轢かれちゃう もしも全てが一瞬で終わるなら ついでに轢き潰してくれないか そんな事口にしないけど そんな事口に出来ないけど 現実ばっかで吐きそうだって 自分ばっかで泣きそうだって 被害者ぶって倒れそうだって このまま自分を壊しそうだって ああ神様ありがとう 素晴らしい世界を 本当にありがとう 今までのあれこれ ああお疲れ様でした 残された世界が どれだけ傾くのか 見届けてやるよ お疲れ様でした