靴も履かないでドアも開けたままで 出て行ってから160時間 キッチンに積まれた汚れた皿の数は 増えることもなく 減ることもない暮らし 窓から見える電柱の陰に 隠れてるんだろう? 突然顔を出して ビックリさせるんだろう? 鏡に映る髭面の男 睨みつけながら 愚か者と罵倒しても 吐いた言葉は戻らない 流れ流れてここに来て カラカラと空回る 飯の種にならない 男の美学抱いて バサバサと羽音を立てて 飛んで行く青い鳥 気づかないフリをして ひとつ咳払い 風邪を引いたからって 優しくされるのは くすぐったくて でも懐かしいもんで 馴れ合った2人のリズムが乱れても 隙間からこぼれる笑顔に甘えていた 冷蔵庫に貼ってある メモの日付が来たのに その数字が持つ意味もわからない テーブルに飾られた ユリの花がしおれていくのを 眺めている愚か者の 時計の針は戻らない 流れ流れてここに来て カラカラと空回る 不器用を笠に着た 男の美学抱いて バサバサと羽音を立てて 飛んで行く青い鳥 気づかないフリをして ひとり爪を噛む 流れ流れてここに来て 流れ流れてここに来て カラカラと空回る 飯の種にならない 男の美学抱いて バサバサと羽音を立てて 飛んで行く青い鳥 気づかないフリをして ひとつ咳払い