来と来て籟籟 白痴な傀儡 彼方(あち)此方(こち)其方(そち) からりころり 影踏み縛りて 腹這う蛇の目 褥咲く二枚舌 ひふみと宵宵 とんとん拍子に 真っ赤な手手つく 手毬歌 まんまる眼 狐狗狸(こっくり) まろびたる 其方(そちら)の血首毬 障子に映る影法師 喀血(かっけつ)に裂いて赫 揺らぎ!揺らぎ! いろはにほへと 血に塗れど あ、あ、うねり 真逆様に 結んで開いて 股開いて 土留色(どどめ)に露 栗と栗鼠 眼窩(がんか)を巣食う 葉見ず花見ず 朔 奥まで螺子(ねじ)広げて 泡立た煮えた た た 畳の目を這い 襖の隙間を 彼方(あち)此方(こち)其方(そち) ぬらりくらり からきりくれな(い)ゐ 生糸(きいと)を引いて 返す手の裏の下から 「見えた」 いろはにほへと 血に塗れど あ、あ、くねり 四つん這いに 結んで開いて 股開いて 引き攣る数多 蚯蚓(みみず)溜まり 十重二十重に 犇き手招いた 奥まで喰らい召しませ 帆かけ茶臼 菊一文字 鵯(よどり)超えの 逆落とし 深山 「もういいかい」 「まだだよ」 いろはにほへと 血に塗れど うねり くねりませ 渇き呻き 結んで開いて 首挟んで おいでやおいで 鵯(う)で居れば 惨憺(さんたん)たる 顛末は叫喚の沙汰 艶然(えんぜん)たる毒を似て 面皮剥ぎ蛻(もぬ)く殻 泡立た煮えた た た