世界が変わる瞬間を見たんだ 夜の闇に咲いた 息が止まるくらい綺麗な青空 何かが動いたような気がしたんだ 星空の下で 心に目を凝らした どうやら僕は 生まれて初めての羽根を 繭から丁寧に広げようとしているらしい まだ 弱くて震えたままの翼を 吐息で温める やわらかな気配 雫の瞳でみつめては その細い腕を差し伸べて あなたは言う 一緒ならきっと心配ないと 重なる 僕の手のひらに また何かが動いたような気がしたんだ 驚いて もっと心に耳を凝らした 繭の外には孤独の影は無くて 星空の様にたくさんの声がしている まだ 弱くて風に折れてしまいそうな 羽根を支えてくれる やわらかな温度 踊る髪を落ち着けながら 透き通る声を響かせて あなたは言う これからもずっと独りじゃないと 重なる 僕の手のひらに 僕にはまだわからないけれど 羽根があるなら飛び立てるんだろう? 顔を上げれば 心の外でも感じる 立ち向かう強さ みんなの息遣いを 吹き飛ばされそうな風が吹いて 胸の中に生まれた気流 しなる羽根が空気を掴んで飛び立ちそうで その大空を待ち望んでいる 世界が変わる瞬間を見たんだ 夜が光って 真昼が覗いていた 今までの悲しいことなど ひとつもなかったかのような 息が止まるくらい綺麗に 咲いた青空