僕は君を待った 誰も来るわけないのに 空は、高く 風が頬を撫でて 夏の匂い運んだ 鳥が、飛んだ 下駄箱の靴 誰も居ない筈なのに 気配、探す 空の藍は深く まるで海原みたいだ 雲は、何処か 君が教えてくれた言葉 いつまでも纏わりつくんだ ビン底に沈んだビー玉みたいに まだ、胸に残っている このまま海原の底へ 沈んで藻屑になって水底を漂って クジラに出逢って 君ごと呑まれたい 僕の心に棲みついて 巣食う姿はさながらあの日の亡霊か 僕の前に立つな このまま藍と記憶の海に沈んでく 胸に空いた穴に 蝉の声が響いて 脳を、揺らす 空が高過ぎて 藍に呑まれそうだ 汗が、滲む 僕を呼ぶあの日の呼び声 いつまでも纏わりつくんだ 風に揺れて鳴った風鈴みたいに まだ、耳に残っている このまま青空に落ちて 雲を突き抜けて大気圏を越え 夜空へと爆ぜて花になって 君ごと灰になれ 僕の心に棲みついて 巣食う姿はさながらあの日の亡霊か 僕の前に立つな 気づいてるさ 何処にいったって もう逢えない事くらい いつだって 僕だけ置いてけぼりだからさ 空っぽの心で 何処まで行けるんだろう あぁ、 君がいた季節をまだ生きてたいんだ このまま僕一人老いて 思い出したくない 記憶をこの先抱えて 生きてくなんて あんまりすぎじゃないか 終わりがあるからだなんて 簡単に言う奴らがさ、 理解らないんだよ あぁ! このまま思い出の底へ 沈んで君の残骸とゆらゆら漂って 最低なこの夏と そのまま心中したい 僕の心に棲みついた 君の面影に縋る僕を笑ってくれ 誰ももう、居ないけれど 見上げた夏の空が今日も高かった このまま藍と記憶の海に沈んでく