何もない部屋 手を伸ばしていた 消えそうで 繰り返す午前零時 終わらない無限の昨日は ゼロかイチか 乾ききった 呼吸の音だけ 胸を埋める言葉は 澱のように折り重なって 空を忘れた 役立たずの羽を散らした 深い夜に 独り沈む 壊れていく感度 君と二人 背中合わせ 決して交わらない五センチ じわり じわり 輪郭は滲んで 嘘みたいに あのドアを開けたら 溶けてしまいそうな 曖昧で不確かなリズムが ここに在る 淡い世界 言葉は見えない 何もない部屋で 手を伸ばしていた ただ探していた 声を 熱を 色を 消えそうで 想いには 象がなくて 歌わないと届かない 声にならない声は 君の後を追いかけていく 求めたりとか 与えたりとか 途切れた心を 結び直して 真っすぐに駆けていくんだ 次の朝まで 永い願い 束の間の浮遊感 意味のない記憶 ひとつひとつが 君を繋ぐ 声を 熱を 色を 感じて 淡い世界 言葉は見えない 砕けた欠片を 拾い集めて また探して 声を 熱を 色を 感じて 青い世界に 独りじゃない 声が熱が色が 背中合わせで 君を繋ぐ 笑って見せて 笑って