ふと見上げ おぼろ月浮かんだ 夜に 可憐に咲いた 花よ 時代が 流れ 流れても 遠く 時を超えて 運んでゆく あなたの元へ 離れてく 千切れ雲 追いかけて さざ波 触れずとも 魅せられて 儚き 影の中で 風 いたずらに 吹き抜けて 水面(みなも)に 浮かぶ空 掻き乱してゆく 移ろう(時を)願う 手を伸ばしても ただ 溢れるだけ もう 来ぬ人を 待つような 想いで 過ぎてゆく あてもなき夜 心(消えぬ)景色 汚れなき 微笑みに 「心にも あらで憂き夜に 長らへば…」 知らぬはずの 燃えるように 鮮やかに 輝いて 暁に 胸の中 叩く音 とまどい 夢の中 近くとも どんなに 遠きことか 今 映し出す 離れない 記憶は 叶わない 約束としても 深く(響き)渡り 身を尽くして ただ 羽ばたいてく そう 舞い落ちる 花びらは 夢想の 彼方へと 呼び覚ましゆく 出逢い(深い)調べ ざわついた 隙間にも 「心にも あらで憂き夜に 長らへば…」 追えど見えぬ 掻き分けて 雲の間に 輝いて 「心にも あらで憂き夜に 長らへば 恋しかるべき 夜半の月かな」