なまぬるいシーツに ミントの香りをさがしてる 昨日の思い出に包まれたまま 胚にもどれたら 博物館で眺めた 永遠に生を待つ胎児の化石 愛も 喜びも 知らず 希望を胸に眠るその姿 ひどく きれいだった もう あなたに 愛されない世界に 生み落とされてしまった 報われない生を抱いてしまった もう あなた以外 愛せない人間に 堕ちてしまった すべて忘れて昨日まで 眠れたら―― 明日の今頃私は ばらばらになっているから ちゃんと迎えに来てね 風が 私の声をかき消す前に 私の 欠片 指輪にしてずっと付けていてね あなたのそばでゆっくりと 化石になりたい 琥珀の中 溺れた 光を求めもがく虫と 私の どちらが 幸せに生きたと言えるでしょう いつかは等しく 炎に抱かれてすべて消える 生の意味なんて 悟る 時間もなく火照るこの心が すべて 流してく 夢の残像 噛み潰しても 石化した恋が 奥に残ってる インフェルノでも 燃やし尽くせない 罪を重ねた みにくく 残ってくの いつか 指輪に飽きたら 迷わずに 海に捨ててね 私の 生きた証が 60億年先も続きますように それが すべての 意味なのかなと切なく 笑いかけた 殻を割って見つめあった 白亜のfossils