水面に揺れる月は こんなにも綺麗なのに あなたは少しも見てくれないの そこに天使がいたのならば 私は海に佇む亡霊かしら このまま結ばれなくてもいい それでも良いと思っていたけれど 秘密の夜に逢瀬を重ねて 微笑み交わすあの人は誰? 綺麗な貴方に恋をしてしまったの その瞳に映る事すら出来なくても なかった事にしたくはないのに 私の想い 海の底へ溶けてゆく 煌びやかな波の瞬きも 優しい海の呼吸も あなたは少しも知らないのね でも…闇を照らす灯りを その腕に抱かれる温もりを 私は知らないの 愛や知識を分け合うのは 決して私ではないけれど 空虚な胸に残されたものは この愛以外何があるのでしょう 鮮やかな涙 美しい歌声も 私の全てあなただけに捧げるから 痛みも安らぎも 私が愛した証も… 綺麗な貴方に恋をしてしまったの その瞳に映る事すら出来なかった 無かった事にしたくはないから 泡沫の思い 波よ攫わないでいて