北の岬の 日暮れは早く 沖にチラチラ 明かりが揺れる あれは漁火 イカ釣り船か 女ごころの 恋の炎か あなた忘れの 旅だから 飲めぬお酒を 少しだけ あなた飲んでも いいですか 女ひとり 女ひとり 夢も凍える 北旅愁 今日の泊まりは 風待ち港 明日は乗り継ぎ また船に乗る ひとり旅する 淋しさこらえ 吐息ばかりの 港宿 潮の香りが 染み込んだ 障子開ければ 夜半(よわ)の雨 霙(みぞれ)まじりの 涙雨 女ひとり 女ひとり 春は名のみの 北旅愁 あなた忘れの 旅なのに 未練ばかりが つのります あなた迎えに 来て欲しい 女ひとり 女ひとり 夢で会いたい 北旅愁