自転車屋のシンちゃんは はじめての親友 十二歳年上 はじめての親友 中学を出てすぐに 自転車屋をついだ わたしの三輪車 シンちゃんが直してた 補助ぐるま取って はじめて走った日も ネジまわし片手に シンちゃん見ててくれた 看板の文字の 「ブリヂストン自転車」の カタカナだけしか 読めなかったあの日 学校から帰ると うちにも寄らないで シンちゃんちの店の テレビつけて見ていた 「あしたのジョー」見て 夢中になるわたしに シンちゃんは言ってた 「それは再放送」 シンちゃんが使う 機械式の空気入れ 使ってみたくて じっと見てたあの日 私立の中学に 通う頃に なぜか 遊ばなくなったわ 看板の文字の 「ブリヂストン自転車」の カタカナだけしか 読めなかったあの日