みじかい夢に溺れていたわ 赤くて白い瞼の裏側 いばらの蔦に 絡まった私たちは 帰り道を見失っていた 幾重にも言葉を 積み上げては壊してく 血の音で描いた点と線の宇宙 緞帳(どんちょう)の向こうで 激しく燃えあがる もっと気持ち良くして もっと気持ち良くしてよ 別れは稲妻だ 涙は光だ 悲しみの声を置き去りにして 呼吸を真空に奪っていくよ 心臓がとまる その瞬間を唄うのさ 戸惑いを誤魔化して笑う 間違いを隠すように泣きじゃくる 自分自身に叱られた私たちは 目的地の墓を掘っていた 変わった貝殻を拾って 耳に当てた細い指が青く透けた 橙の浜に打ち上げられた克鯨は 乾ききって黒くなっていた 甘い夢見たくて苦い薬探すから 美味しかった現在(いま)を また壊してしまう 鉛筆を削って書けずに夜が明ける 酔って気づかないふり 酔って気づかないふりさ 別れは稲妻だ 涙は光だ 悲しみの声を置き去りにして 呼吸を真空に奪っていくよ 心臓がとまる その瞬間を唄うのさ 涙は光だ 悲しみの声を置き去りにして 呼吸を真空に奪っていくよ 心臓がとまる そのときを 意識が切れる そのときを 存在が消える その瞬間を唄うのさ