割れた街路灯の下で 欠けた灰皿捨てて 明ける前の夜空の下で 人工知能から逃げている 風が不意に息を止める 誰か近づいて来る 毒電波を浴びる前に 音を立てぬ様に逃げてゆく プロトタイプの中に埋もれ 徒労の末スクラップへ 諦観する浮浪者へは鞭を 生産性のない者へは死を 思想基盤再構築の末 駆け巡りし索敵網を避け 完塞されし機械都市を征け 手に入れた物でも 憧れた場所でも 恣意的に隠され 何をするにも叶わず 想像を 幻想を 美しかった世界を思い出しては 道に臥せる者を 殺して 隠して 誰かがドアを叩く 「正しい思想をお持ちの様で。 私たちが迎えに上がります。」 何故か場所が割れている 誰かが漏洩している 裏口の鍵を探して 弾薬庫に火を放つ 繰り返し隠し続けたことで 精算の刻を延ばし続けて 計算され盡した手口さえ 効率化の縦波に呑まれて 合理的解釈は須らく 揺籃の知的好奇心さえ 商業主義の果てに融けてゆく 夢の中でさえも 熱を孕む懐炉 切り取られた侭の 意味を生さぬ常套句 恐慌を 焦燥を 自己を映す鏡像を投げ掛けては 逃避行を繰り返している 誰かの悲鳴が響く 逃げられはしない 引き鉄に指を掛ける 手に入れた物でも 憧れた場所でも 誰も辿り着けず また罪を犯してゆく 想像を 幻想を 輝いていた筈のこの世界を 騙しだまし生きて往こうぜ Finally come to ”Eliza”