向い側 ホームの端に あのひとが 立っていた 雨降りの 線路を隔て みずいろの セーターが うるんで 呼べずに 呼べずに 風が来て 私の 背中を 発車の 笛が押した 知るひとは 燃えつきたと 思うでしょう 今はもう 連絡も とることなく 行きつけの 店もなく…それでも 愛して 愛して いることを ガラスに もたれた 瞳を 読みとって そのとき 苦しみが 消えてゆくのを見た 呼べずに 呼べずに 時は去き 電車は カーブで 煙った 点になる 愛して 愛して いるうちに 私は あなたの グレイの 汚染になる 呼べずに 呼べずに 時は去き 電車は カーブで 煙った 点になる 愛して 愛して いるうちに あなたは 私の グレイの 汚染になる 呼べずに 呼べずに 時は去き 電車は カーブで 煙った 点になる 愛して 愛して いるうちに 私は あなたの グレイの 汚染になる