解けた靴紐をそのままに 火照ったベンチの上くたばって 蒸れたデニムと似たような青を 見上げてた 僕はただ君の夏になりたかった 海辺を歩いてたら見つけた 湿気た花火、割れたビール瓶 干上がった海藻色褪せたグラビア 雑誌 微かに残った夏の抜け殻は 台風に吹かれて僕を感傷的にさせる 5時のサイレンと下校中の騒ぎ声が 響くいつもの部屋で 君の好きな曲を流して天井を 見上げてた 僕はただ君の夏になりたかった 強すぎる日差しに焼かれる アスファルトの黒さが たまらなく柔らかそうだった でもすごくすごく怖かった あれほど威勢の良かった 七日前のセミは 今何を思うのだろう さよなら君の抜け殻よ 大事にしててもいつかは 無くなってしまうかな さよなら夏の抜け殻よ もう戻らない僕らの少年時代よ
