青色の欠けた 色鉛筆を広げて 海を描くあの子は 夕暮れが来るのを 一人 笑顔で待っている もし あの子に一つ渡すなら 青色のそれじゃなく 好きな色に 空が染まるまで 寒くはないようにマフラーを 時間だけが包み込む色 影の向きで 光を感じる 凹んだ心は 内側からしか戻せない ブリキの様な壁の中 守っているから みんな一緒だと思ってた あの子はそうじゃないから シャボン玉の様な心に 乾いた指で触れないで 同じ雨と 涙に濡れた この指先でなら運べる 壊さずに包み込んでいよう いつか君が 光を描く日まで きっと あの子が持ってる宝物は 鮮やかなそれじゃなく 悲しい色をぼかす消しゴム 消えない思い出にマフラーを 優しい風を捕まえながら 歩いて行け 自分色の空へ