おのづから

歌詞

じゃあ わかった や ちがった ああ ままならんな また破綻だ 真っさらなキャンバスに 真っ赤っ赤なカーマインで下塗り 自分に足りない色を補うよう 照らし出す白昼色LEDにぬらぬらと 輝いていたそれは日の沈む頃には 乾いて 一昨夜ぶりに落ち着きを取り 戻していた 次こそ自分自身を掴んだ気がして つまんだ炭で輪郭をなぞり面で 捉えるも 色を乗せ始めると途端に 私でない誰かが浮かびあがる 重ねても重ねても まるで嘘で塗り 固めての上塗りのよう ついには全てナイフで削ぎ落とし 一晩の自問自答は徒労に終わる 私で私をわからないままでは あなたに私を伝え難いし あなたは 私をあたかもわかったかのようで こんなにも耐え難い 座り続ける私が私か 回り続ける私が私か スウィベルチェアを描き足したが なにか理屈っぽいと思い 視角から片した きっとずっと矛盾を孕んでる 掴んだ途端に答えが違ってる キャプションの「自画像」の文字 その下の制作年に 何時何分に何秒 まで載せてようやく成立する そういうもんだって 本質の所為にする 下地の赤が今になって活きて 背景の開けた窓に映える ネイビーブルーは 「小難しいこと考えちゃうのは きっと夜の所為だよ」と 言ったあの日から ちっとも変わらないこと 暗喩するに相応しいと 自から始まる言葉に重ねる じゃあ 終わらないと わかった 正解や 間違いも ちがった こうでも ああでもない ままならんな 矛盾が似ない また破綻だ じゃあ 終わらないと わかった 正解や 間違いも ちがった こうでも ああでもない ままならんな 矛盾が似ない また 昨晩のキャンバスの上 つまんだ炭で輪郭をなぞり面で捉え また色を乗せ始める この先ずっとその日その時を描いて