石畳の通りを抜けた先 街路樹製のアーチの下で 子供達が風船を離す理由は 「浮かび飛べたら どんな気分だろう」 柔らかい新緑が出鼻を挫いた 風船の名はジュブナイル 帰り道で母が手を離さない 理由はそれなんだと思った 鼓笛隊が賑やかせる市場は 夜になったらフィナーレを迎える 逆らいながら打ち上がる 花火の名はジュブナイル 遠くでも轟音があんなに 胸を打ちつけるなんて 町中が花火を見上げ 閃光が瞳を揺らし 歓声が褒め称える それが風情だとまだ思えなかった 花火が終わると共に 季節が移り変わり 町の外 広い丘の上 駆けて 願い飛ばす その姿が心配させない 理由になったらと思った