バスを待つ まだ雨は止まなくて 行っちゃった 小さな背中はもう見えない 隅に咲く寂寥感を摘んだって この時間が止むはずなくて また次の傘を追いかける さよなら 窓を叩く雨の音は 聞こえないさ ありがとう 今まで君と歩いた道が 過ぎて行く ユラユラと まだバスは僕を揺らす 泣いちゃった 君の顔が脳裏に焼き付く 傘を伝う滴が落ちて ちょっとずつ水溜まりができていた ただそれを眺めることしか あのバス停のアナウンスだけ なぜか聞こえてきた なぜだろう 震える声に嘘なんて なかったのに それなら もういっそ僕の後悔を乗せて行け どこか遠く 灰の雲が圧し潰す また勘ぐる僕に 「いや違うよ」って ただ遮って欲しかっただけだ 嘘ついてないくせに 君が去り際にごめんねって 謝らないでよ それがずっと 奥の方に引っかかって ひたすらに声を殺す なぜだろう 君が僕にあの話を してくれたのは なぜだろう とまりますボタンが押せない 押せるわけない なんでずぶ濡れのまま 歩く君に気づいたのだろう 通り過ぎるその3秒間に 涙、頬を伝う さよなら 窓を叩く雨の音は 聞こえないさ ありがとう 今まで君と歩いた道よ 過ぎて行け