作成: 多嘉喜、ハルタダイチ、笹谷創 ここにいる、 離れても懲りずにまた戻りゆく 清い水の価値より甘い蜜の味 所詮誰かの駒なのに 仲間という響きに酔いしれる その場凌ぎの安堵を何度も たんと召し上がり麻痺する感度 尊敬を超えた崇拝は沁みついた 自信の無さと 孤独を誤魔化す為の防波堤 心の底から微かに聞こえる 「もう駄目」すら封じ込み 外野を見下す事に精を出す 「常識」を嫌う建前ですぐに 攻撃の姿勢を取るのを見る度に 私は「普通」 という価値観に飢えて仕方がない。 嗚呼、あなたの面影は何処 何者でもなかっただけ それだけで嵌った落とし穴 張り付く笑顔に残る虚しさが 底知れぬ恐怖を駆り立てる 新しいスニーカーできな 粉まみれのわらび餅を踏み 締める時の ほんの僅かな高揚に落ち 着いているだけで、 何を安心するでもない。 ずっと昔に伸びた 靭帯の言いがかりを無視して、 無理やり規則的に歩を進める。 リズムは死ぬ。けれど歩を進める。 気を抜くとすぐに 見えなくなってしまう賑わいの影。 離れてしまったのではなく 追い越したと言えなくもない。 この身一つの価値は好み一つで 何倍にも、何分の一にも。 高田馬場のロータリーには今も、 裸の馬鹿がゲロったビールを 待ち構えるネズミが息を 潜めていて、 目的地を持たない緑色が酒よりも 長くぐるぐると抜けない。 そのぐるぐるに倣うように、 ビートがある分だけ輪っかは 続くし、 輪っかでなくなってからも、 たった一人でも、 突っ立ったままで歩を進める。 リズムは辛うじて生きてる。 スニーカーは踵の外側だけ擦り 減る。 ほんの少しずつ、 じっくりと地に足がつかなくなる。 きっとこれは浮いてる。 先を越しても、 置いていかれてもいなかった。 浮いてた。 この先には仏やそれに類した 都合の良い超越、解脱、 ニルヴァーナが待ってる。 好むと好まざるとに関わらず、 火の鳥からそう告げられたみたいに 膝は勢いよく上がり続ける。 きっと泣いてる。 いつかの私の言う通りだ。 ここにはないユートピア。 It suddenly appears in your head. ユートピアは突然現れる Comes out from your imitated vision ハリボテだらけの空間にて You're earnestly clinging to nothing 只管何かに縋り付いている Before your very first recognition. まだあなたは気づかない