ドレスはタオルで 冠はペンのキャップ でも今日の私は本物のプリンセス おままごとのお城で スプーンの杖をふると ミルクの雫が魔法に変わるの とことこ歩くたび世界がひらく 気がして 胸のなかの小さな星がひとつ光った きこえる?夢の国から 「ようこそ」と私を呼んでいる声 わたしは今日の魔法のプリンセス 好きな色だけで世界を塗り替える 大人の服にあこがれて すこし背伸びするけど この小さな王国も大好きなの お皿のボートが テーブルの海をわたる カップケーキの山に風がふきぬける ぬいぐるみの家来が「姫様」 と頭を下げて 私はそっと宝石のフリをした ボタンをわたす ママの ルージュをほんのちょっとつけると 未来の私がふわっと微笑む きこえる?大人の国の 優しいドアが少しだけ開く音 わたしは今日の魔法のプリンセス 光のエプロンで空を覆う いつか大人のわたしにも王冠が 似合うかな? そんなひそかな夢を胸に隠して ミントの森で熊の将軍と会議 「大人ってなに?」 と聞くとそっと雲がわらった リボンの道をひとりで歩いていくと 踵の音がほんの少し大きい おやつの時間のベルが遠くで鳴り 響く 「また明日も来てね」 「また明日も来てね」 わたしは今日の魔法のプリンセス 好きな色だけで世界を塗り替える 明日のお姫さまの準備をするの わたしは今日の魔法のプリンセス おままごとの王国で 未来をためしてみる 「大人になりたい」 なりたいでも今もきらきら この小さな王国が世界のはじまり きらきら夢のかけらが ドレスの裾にそっとついてる
