裾に跳ねた泥を拭うのは自分だけ 染みになっちまう前にご自愛を 通り雨のような悪意に降られて 胸に染み込んで繰り返すなら 風邪を引く前に手放してしまおう 澱めば腐っちまうから 雨に還れ 流れてゆけ 排水溝に吸い込まれてゆけ 河になって 流れていけ どこまでも押し流されてゆけ 全ての言葉は過去の残響で 胸に染み込んで繰り返すなら 繰り返してるのはあなたの心です 禊は終わっていても 濡れたシャツを 脱ぐようには 切り離せないことばかりだな 話になって 笑いになって どこまでも押し流されてゆけ バスの窓から見ていた 洗われた犬のような街 身震い一つで吹き飛ばして 光の下へ行けたなら カルマも多分巡っていて 過不足はゼロになるだろう せめて「ありがとう」と強がるよ そのぐらいは抗わせて 落ちてゆく時だけ雨と呼ぶのです 染みになっちまう前にご自愛を 雨に還れ 流れていけ どこまでも押し流されてゆけ いつか海へ 流れ着いて 歌になって高く飛んでいけよ 歌になって 歌になって 生まれ変わっておいで