剥がされ捨てられた私の骸 へばりこびり付いた私の染み 瞼閉ざし 耳を塞 ぎ 口を噤む 誰もが気付かぬ振り 心の底に触れたのは誰か 真っ暗な其処に気が狂れた誰か 瞼閉ざし 耳を塞ぎ 口を噤む 誰もが気付かぬ私 吐き出す全てが醜く歪み 「言葉」と言う名の「嘘」へと変わ る 右手が啜る 左手の声 耳を澄ませば じわり溢れる 谺したソレは誰にも届かぬ私の辞世 の句 私の声に耳を傾けてくれた剃刀はも う詠わない 錆びた煌めきの不協和音は卑しく喉 を鳴らすだけ 「嘘」は「嘘」のままで 右手が啜る 左手の声 耳を澄ませば じわり溢れる 朱で書きなぐる 悼む痛みは 蒼に纏われる ぷつり途切れる 谺したソレは誰にも届かぬ私の辞世 の句
