狐火が灯る頃 宵闇 妖艶に口ずさむ旋律 言わないで 往かないで 先に伸ばした 指が空を切る 炎(ひ)を求めるは こちらへどうぞ 迷い道の遊びを 紡いでゆく ひらひらと恋が舞い散る 百年夜行 私を連れて はらはらと涙 流れる 月は嘆く 嗚呼 浮世に溺れたり沈んだり はたまた浮かび上がってみては うわべだけ戯言を 仮に其れを罪と呼びましょう 割れたお面の 狐が笑う 早くつかまえてよ、と 悪戯に 君と魅た夢が舞い散る 呼吸を忘れるほど切なく 罰ならば甘んじましょう 愛と呼べる 嗚呼 其の髪を頬を唇を なぞることは赦されないの もう一度 声を聴かせてと 願わくば ひらひらと恋が舞い散る 百年夜行 私を連れて ゆかしかり 骸を越えて 鬼は嘆く 嗚呼 君がため 惜しからざりし 命を捧ぐことも厭わず 鬼たちよ 叶わぬならば 供に 堕ちましょう