西に明神(みょうじん) 東に安波(あんば) 後ろに弁天(べんてん) 海の神様 鎮座する 浜の町ではソーリャ 男衆(しゅう)は漁に出て 女衆(しゅう)は安波さま 海の神に祈るのさ 私が嫁コに来た時は 年の初めに安波の唄で 大漁海が荒れぬよに 太鼓たたいて踊るのさ 忘れちゃならない唄なのに 誰もが唄を忘れたよ 山背(やませ)が海を渡り なぐろが来たよ こんな時こそ 思い出せ 安波さまの唄を 私が唄うよ アソーリャ ソーリャ よいやね ヨーイヨーイ よいやね 幾千年ものソーリャ 時を越えて鎮座して 海を見おろし守ったが 恩を忘れて時がすぎ この世にあるものはすべて 自分の物じゃないからさ 海の幸も山の幸 天の恵みに手をあわす 忘れちゃならない唄だから 守り続けて行くんだよ 私から嫁に 嫁から孫に 生命(いのち)をつなげて 生きるのさ 安波さまの唄を 私が唄うよ アソーリャ ソーリャ よいやね ヨーイヨーイ よいやね 鎮めておくれよ安波さま 海の神よ安波さま 昔のように みんながいた頃の 浜に戻って 欲しいのさ 安波さまの唄を 私が唄うよ アソーリャ ソーリャ よいやね ヨーイヨーイ よいやね