♪ 淡紅(うすべに)の秋桜(コスモス)が 秋の日の 何気ない 陽溜(ひだま)りに揺れている この頃 涙脆(なみだもろ)くなった母が 庭先でひとつ咳(せき)をする ♪ 縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を 何度も同じ話 くりかえす 独り言みたいに 小さな声で こんな小春日和の 穏やかな日は あなたの優しさが 浸みて来る 明日(あした)嫁ぐ私に 苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと笑った ♪ あれこれと思い出をたどったら いつの日も ひとりではなかったと 今更ながら我儘(わがまま)な私に 唇かんでいます 明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし(注) 元気でと 何度も何度もくりかえす母 ありがとうの言葉を かみしめながら 生きてみます私なりに こんな小春日和の 穏やかな日は もう少しあなたの 子供でいさせてください ♪