朝日が浴槽を照らす 井の中の蛙、 大海を知らず これから旅立つ さよならいつもの週末 波立つ表面張力 遥か遠くの方、 対岸を目指す 忘れ物はないかい? 待ってくれる時間はない 日々積み重ねた 思いが溢れ出して、 この街を水没する前に 冷たい床を打つ シャワーの音 仰げば四角い天井 飾りの白色蛍光灯 鏡に映る知らない人 曇りガラスの向こう 10数えたらここから出でよう 日々積み重ねた悪事が暴かれ、 ゲシュタポに密告される前に 栓を抜けば最後、 もう後には引き返せないぞ 全てが動き出す 激しい渦になり、 全てを飲み込んでしまう 愛おしき日々も 愛する人も 過去の栄光も 憧れも夢も 渦のなかに 消えてなくなる 消えてなくなる 消えてなくなる 消えてなくなる 立ち止まって 振りかえれば 跡形さえもなくなった 悪い夢でも見ていたようだ 誰かのついた嘘のような 明日の今頃には 新しい朝日の下 大衆は声を潜め 「逃げ出した 逃げ出した」 だと