22 時過ぎの 誰もいないオフィスに キーボードを叩く音 一人きりの残業です 同僚に笑われても デスクの上の写真立てに 飾った家族が自慢なんだ あと少しで帰れるよ 帰る頃には寝てるだろう 明りの消えた部屋で 起こさぬように鍵を開けて ただいまってささやくのさ 遅くなるから 俺の帰りを待ったりしないで 先に 先に 寝ててくれよ なんてただの強がりさ 本音を言えばおまえの 「お帰り」が嬉しいのさ ただ ただ それだけで 頑張れちゃったりするのさ 仕事を片づけて 終電間際JRの 最寄り駅で降りたのは 日付がちょうど変わった頃 終わらない住宅ローンと 子供達の学費の為 今日もタクシーは我慢だなぁ 我が家まで夜道を歩く 食卓には冷めたご飯と 「チンして食べてね」の便箋 テレビのボリュームを下げて 「いただきます」って呟くのさ 遅くなるから 俺の帰りを待ったりしないで 先に 先に 寝ててくれよ なんてただの強がりさ 本音を言えばおまえの 笑顔がちょっとみたいのさ ただ ただ それだけで 頑張れちゃったりするから ただ ただ それこそが 俺の生きる理由だろう