君の手に触れようとして 彷徨う手が 空を掴む 一人分空けた長椅子に 俄雨が落ちた 鈍色の空に 君が口ずさんだ 強くて 弱い うたを 昏む空で凪いだ静寂を 切り裂いて 空高く響いて 素直になれない 僕らの頭上を超えて たった二文字 いつか君に伝えたくて 君の手が震えてたこと 夜に紛れ 目を逸らした 一度破いたラブレターを 紙飛行機にして 雨上がりの空 君は立ち上がる 言葉が見つからず歌う (やけくそな歌) 少しの虚勢と 飛んでく紙飛行機 もうすぐ 夜が明けるよ まだ言えなくて 飲み込んだ歌 君もきっと同じでしょう (君もきっと同じだろう) だけど あと少しだけ もう少しだけ 少しだけ 今だけは 今だけは ああ いつかの夜に捨てたこの歌が 夜を越えて あなたへと響け! 雨雲を照らし 星よりも瞬いて 今伝える 紙飛行機 空を見上げ 君の横で