短い季節だからかな 夕暮れも不意の風も 町行く恋人たち 打ちあがる花火も 全てが儚げに見えてしまう 降り出す雨を避けて 木陰に身を寄せては 祭りばやしの中 悪態をつく人を 眺めて君は笑ってみせた 止まない雨はやがて 土砂降りになって響く 中止のアナウンス 来年また来ようねと じっとり湿った手と手を握った あれから何度 君は僕を気遣って 自分がどうしたいかを我慢した あまりにも不器用で あまりにも危うくて 自己犠牲を愛だと思っていた 若くて脆い僕らの心は 怖がってすれ違っていった 揺蕩う白い月夜 皮肉にも晴れわたり ありもしない影を求めて 一人ふらり 先に立つ後悔を引き連れて あれから何度 僕は僕と向き合って 自分の底を もっとさらけ出していたならば あまりにも不器用で あまりにも危うくて 君の前じゃ 格好つけたかったんだ 今日で全て終わりにするから まだ少し あと少しだけ あまりにも不器用で あまりにも危うくて 自己犠牲を愛だと思っていた 君と僕の最後の約束 花火が滲んでゆく