夢を見ていた とても鮮明だ 白銀に包まれた 美しい景色だ 鮮烈 さらわれ 聞こえた 笑い声 檸檬の 匂いを 額縁に 沈めた 1人と また1人 分けていく 体は 今日も 明日も 僕をまだ 今をただ生きるならば 何もいらない どうせ忘れるのだから それでも僕はまだ 眠りたくないと記す 夢を見た 思い出せない 昨日のことも全部 なにもかもを 鮮烈 さらわれ 聞こえた 笑い声 未完の 小説を 道筋に 辿った 死臭と 共にある 美しい 白髪は 今日も 明日も 僕をまだ 今をただ生きるならば 何もいらない どうせ忘れるのだから それでも僕はまだ 眠っていたくはないと 今を生き抜くためなら 忘れたいと思うかもしれないが それでも僕はまだ 覚めたくはないと記す