錆びついた 爪先 触れた指を傷付けぬ様に 泣きついた 首筋 濡れた頬に牙立てぬ様に 揺らめく蜃気楼をも惑わす 月が染め上げた夜 何時までも 何時までも 追いかけ続けている 『逃した獲物は…』なんて ありえない 何処までも 何処までも 追いかけ続けて離さない 喰らい尽くすまで 焼きついた 思い出 辿る先で巡り逢う様に 欺いた まるで 運命と紛う悪戯の様に 「キミが 俺のモノにならないのならば」 「いや」 「たとえ、 どんな手を使ったとしても」 「キミは───── 俺のモノにする。」 キミですべて満たしたい 胸の中 腹の中 満たしたい 身体も 髪も 目も 唇も 指も その心さえも 俺はまだ満たされていない キミの何もかもをくれないか この渇きを潤す方法は 度し難いほどの欲望 闇夜に融けて全てを惑わす 月が染め上げた夜 仮初の姿など 信じさせてみせる 『愛した貴方は──────。』 騙された事すらも忘れさせてあげる ほらおいで 何時までも 何時までも 愛し合い続けよう 逸らした視線は 俺を照らす月 もう二度と もう二度と この手は掴んで離さない 喰らい尽くすまで、キミを