解れたセーターが 少し暑くなって 夢に見た旅立ちも 少し不安になった 歩き慣れた帰路と 満員電車も いつもより景色が広くて 切なかった 空っぽの毎日を 何かで埋めたくて 蹲ってた 何もかも 消えてしまえばいいと 泣いた日もあった 春の匂いが嫌いだ 新たな一歩を急かしてくるから 春が嫌いだ 別れを運んでくるから それでも優しさで包むから 春が嫌いになれない 解けた靴紐と前に消える笑い声 胸に突き刺さる痛みも 愛しかった 愛しかった 早歩きで先に行けば 少し戸惑っても また隣で歩けるかな また笑い合えるかな 当たり前の毎日を なんとか留めたくて 踠いてた このままじゃ ダメなのかな 苦しむ日もあった 春の音が嫌いだ 当たり前が崩れる音がするから 春が嫌いだ 涙が止まらないから それでも素敵な景色で包むから 春が嫌いになれない 春を手放せない