さよなら 今 この巣窟(せかい)を 平らげてしまおう つみれを残す理由まで愛してた 火の傍で 正義を煮詰めた鍋が あくをだして湯気を立てる 慕情(やさしさ)なんか 免罪符(かね)にはならないけど 売り払って 雑費払って 愛を賄った ことばの泡が重力に逆らって 雲になる きっとお前は貴方の傘も濡らせずに ただ、ただ、ただ さよなら 笑った顔 噴きだす熱が煮えきらぬままでも 絶やさないで いつか焦げついて ああ 揺れたよ、揺れた 不安定な影が あなたの息によってふわ、 ふわって揺れた ああ 殺したはずの 数と合わないかんじょう そっと掴んでも箸を滑った 消えないでと祈りながら 火の傍で、陽のそばで
