言葉の端と端を 紡いで書き留めた この間抜けな綴りがいつか 雲になって消えない様に オレンジになる少し前 玄関を蹴って走り出す 売り切れの多い自販機 急ぐ心に汗ばむ想い 蒸し暑い体 着慣れない浴衣 もう少しで会えるから ねえ 待っててよね 不意に触れた手を どうして離れていく 変わる空の色 僕らはさ ただの夜光虫 今までの日々は 世界に色がないみたいでさ 大袈裟だってきっと言うのかな そんな少しだけの会話も 自分でも恥ずかしいくらい 思っていたより本気でさ 時が過ぎれば過ぎる程 抑えられなくなって でも喉から前に出て来なくて 閉じこもったままで ねえ このままでいいかな 不意に触れた手を どうして離れていく 変わる空の色 僕らはさ 僕らは 零れかけの月 声は掠れている 落ちた空の色 僕らはさ 夢を見ている 会いたいのか消えたいのか 分からなくて 伝えたいのか逃げたいのかも 分からなくなって 言いたいよでも 言えないよ それでもね 夏の光に消えぬ様に ただの夜光虫