ボタおろし 夜っぴて荒れた せいかしら 燃え残る星が 燦いて やけにきれいだね・・・ 昔、 あの煙突から 煙が出ていた 煤焼けした 炭鉱(やま)の男達で 店は賑わった・・・ ごめんね 男衆ぁ よか衆 色気は懲りたの 嫌いじゃなかった 自慢の小節も 聴けなくなって 今はどこへやらー 秋は行き 冬は行き また春がめぐり あたしは 今日も 暖簾をしまう 「客足も 戻らぬ町さ やり直せ まだ若い身空」 義兄(にい)さんは 酔うと諭すけど・・・ 昔、 骨埋める気で 東京すてたの つましくても 好きな人の形見 ここを守らせて・・・ ありがと 女衆ぁ よか衆 やりくり不馴れな あたしを見かねて 亭主を遊びに 遺(よこ)してくれた 両掌合わせますー 春は行き 夏が来て もう誰もいない 鉄橋 じきに 始発が走る 昔、 あの煙突から 煙が出ていた 気の短い 炭鉱(やま)の男達で 店は賑わった・・・ ごらんよ 麗ちゃん 咲ちゃん 星がきれいだよ・・・