人ごみの途絶えた ロビーに響くのは 君の乗る便を告げるアテンション 指先が触れぬよう バッグを手渡せば 並ぶ影が ガラス窓に滲む 低空飛行だったね 二人の長い道のりは このまま 夜に消えていくのが ふさわしい幕切れ 最終フライト エアポート 君を連れ去る 0 5 便 ゲートまでのびている 赤い絨毯は 新しい生き方に続く滑走路 パスポート片手に ゆらり揺れた君が 言葉も残さず 見えなくなってゆく もう少しここにいるよ 離陸ランプが点くまでは このまま街に戻ったところで 待つ人もいない 最終フライト エアポート 君を連れ去る0 5 便 悲しみを引き裂いて ジェットの響き遠ざかる 翼も闇に包まれたまま 星屑にまぎれて 最終フライト エアポート 君を連れ去る0 5 便