ブラインド一杯開けた部屋には 真夏の光が渦まいている 角氷一ツの涼しさに似た あなたの言葉がやさしく溶ける 「待たせたね廻り道だと笑うだろう か」 ここまで来たらサクセース サクセース 女は昨日の顔で待つ ブラインド半分閉じた窓辺は 光が織りなす そう、縞模様 揺り椅子動かす力を抜いて あなたの声だけ追いかけている 「待たせたね お前ばかりに苦労をかけた」 ここまで来たらサクセース サクセース 女は今日の顔で泣く ブラインド下までおろした部屋は 光も通さぬ一時の海 切なく流れる溜息の午後 言葉にまかせてこの身を投げる 「待たせたね次の港はありはしない さ」 ここまで来たらサクセース サクセース 女は明日の顔を待つ