Track byゆうさり ・ 尾瀬四郎
よるのはしごよ 細長く、のびたばかりのくらがりに 葡萄がほんの一房さがっていて 艶やかでいて 銀のはしごをかけたね 寸足らずのそれに なんにも履かないままで足かけて 手をかけて のぼっていたね ふれる はしごよ わたしたちは 拍子を忘れたメトロノーム さあ きょうも 黒目をなくした黒猫さん インクこぼしたはつか鼠の おいかけっこ あゝ よるのはしごよ 細長く伸びたばかりのくらがりに 硝子の葡萄がそこにさがっていて 実っていて のこっていた