古びた扉を開けて 板張りの通路を歩き 窓側の座席に腰掛けると そこは昔よく乗った鈍行列車 窓を半分押し上げ 備え付けの栓抜きでコーラ瓶を 開けて 天井の扇風機を見ながら 出発の汽笛を待つ 鈍行列車で行こう 目的地には必ず 着くんだから 急行列車には 見えない物が よく見えるから ラジオのような声が 出発の案内をしている 汽笛が鳴り午後2時発の 鈍行列車がゆっくりと動き出す 窓から入る風が 時の流れを忘れさせて 線路のつなぎ目が 心地よいリズムを奏でていてくれる 鈍行列車のように たくさんの寄り道を するって事が 今日の自分をまた 明日の自分に 変えてゆくから 窓の外には青い稲穂が一面に 広がってる 通り過ぎるあぜ道が 遠くの山を 回ってる 鈍行列車で行こう 目的地には必ず 着くんだから 急行列車には 見えない物が よく見えるから