人生最後の夢を見た あなたは言った なんだか随分早かったね 夕焼け小焼けのうたを歌った 諦めが悪そうに歌っていた 海の深く深くに見える街に 僕らは生きていた 夢や希望の理由の芽だらけで 追い続けることに生きるんだ 埋もれた足は 纏いつく雲のせいで動けない さえずりに似た音はもう… 息を吸って吐いて心静めて 宙に浮かぶ涙(鼓動が速くなる) 音はそれを音とみなした 僕は泣いた がむしゃらに歌うように泣いた (音が鳴る) 此処に居ていいんだって思った 宙に舞う花達は 小雨のように僕らを見つめて 降ってきては胸を満たしてくれる そんな存在だ。 溢れることのない雨だから 逆さになることもない世界 元には戻らない (これでいいんだ) 人生最後の夢を見た 夕焼け小焼けのうたを歌った 僕は全てを諦めようとしたけど 叫びたくなるんだ 音が止まらない 夢はあきらめたけど何か見つけた日 春の日に書いたひとつの詩 僕はそれを見つめながら音を探す 強く咲く僕だけの音を もう夕焼けは見えないから だからこの歌を降らせるのさ 海と花の雨を。