あなたは独り雨に濡れて 部屋のドアを叩いて 僕はその手を握りしめて 頬に押し当てる。 もう自分を責めないで、 誰のせいでもないと解って どんな言葉で 傷つけてもいいよ。 行かないで、 ここでふたりで暮らそう、 あなたを幸せにするよ、 泣かないで、 すべて洗い流すように 僕の中に雨が降る。 少女のころに好きだったと いつか言ってた歌が 古い映画の場面のように ふいによみがえる。 もう帰れる場所はない、 捻れたフィルム巻き戻すように どんな罪でも 嘘をついてもいいよ。 このままで、 ここでふたり暮らしても あなたは幸せじゃない、と 泣かないで、 すべて洗い流すように 僕の中に雨が降る。 〈♪〉 行かないで、 ここで、僕とはじめよう、 あなたは哀しい目をして、 泣かないで、 ここでふたり暮らしても あなたは幸せじゃない、と このままで、 すべて洗い流すように 僕の中に雨が降る。 雨が降る。