待てとばかりに 汽笛しのび泣く 心さむざむ 眠れぬ夜汽車 アイヤー雪に埋もれた ふるさと捨てて あれから数えりゃ 三年三月 瞼とじれば 故郷の空に さんさ舞い散る 雪ぼたる お国訛(なまり)が 何故か恋しくて ひとり足向く ふるさと酒場 アイヤー目許やさしい 絣(かすり)の女(ひと)に あの娘の笑顔が 浮かんで揺れる 酔えばせつない にごりの酒に さんさ舞い散る 雪ぼたる 北へ帰ろか 夢に里ごころ 今は五尺の 雪降る頃よ アイヤー誰が唄うか 故郷の民謡(うた)が 夜風にちぎれて 聞こえてくるよ 北の空みりゃ 孤独(ひとり)の胸に さんさ舞い散る 雪ぼたる