甘すぎる香り 漂わせるのは 昨日の残り香 消すため? 助手席のシート 深く沈んだら 指先のレバー そっと倒す <終わるまで帰さない> 夜になぞられピアスが揺れる <感じたら合図して> 昨日は誰を抱いてたの? 愛憎裂傷カルマ 満たして 早く 約束なんてグラスに浮かべて 飲み干して見せて 乱れたフレイヤ 責めたりしないわ 零れ落ちて滲む熱を ただ奪って 薬指のリング 外しもしないで 諦めの縁(ふち)を撫でてく 「何が欲しいの?」と聞き飽きた言葉 「冗談でしょ?」って口は開く <逃げるのは許さない> 届かないほど 思いは疼く <大人なら分かるでしょ?> 触れたら負けと知ってたのに 迷走重傷カルマ 壊して 早く 理性の欠片 冷えたマドラーでかき混ぜて消して ぼやける視界を 揺らして強く 繋ぎ止める溜息ごと 奪い去って <仕掛けて来たの 君の方でしょ?> そっと噛んだ耳たぶ 熱が走る <今更 何を守らせたいの?> その挑発に堕ちてゆく 純愛不感症カルマ 汚(よごし)て 早く 約束なんてグラスに浮かべて 口移しで注ぎ込んで 乱れたフレイヤ 責めたりしないわ 零れ落ちて滲む熱を ただ奪って 堕ちるほどに消えなくなる 甘い残り香