寝息をたて 静かに 増殖した 目眩の種 大切に 綴じる 暗がりの中でさえ いつだって 生きること救うのは 麻酔の効いてた 柔い夢で 追い詰められても 白紙に戻るから まどろみが掻き抱く死相 おやすみ 解体され 還る からだ 端切れ つぎはぎ孵す 来る日も からたちの棘なぞる 思惑に 怯えながら 絞り金 毎夜半違う声が 誘ううつつからの 逃避行 固結びの頭蓋 ほぐす途中も 見せようか 痣 行き届いた愚痴 濾して漉いてまた 沸かし切ったあとに 肌に馴染ます 滔々 繰り返して 傷んだ 幸福の源を 取り替え 探す 次の逃げ道 来る日も からたちの棘なぞる 思惑を 浄化する軌跡 からたちの花ひらいた 夜半の籠ゆらして 満ち足りた 毎朝違う窓辺 迎えるうつつへの 相打ちを 白い朝が 叩く鼓動 ただ祈って